|
皮膚病は漢方薬の服用だけでなく生活面での節制も大切です。以下の養生も実践しましょう。
●アトピー養生法
1.乳製品など特定の食品を摂取して皮膚炎が悪化するようでしたら症状が改善し落ち着くまで摂取は控えましょう。
2.チョコレートや果物、白砂糖などの甘い物やドリンク類、牛肉やから揚げ、てんぷら、カレー、ラーメンと言った油っこいもの、餅菓子などは症状を増悪させる恐れがある。これらは カロリーが高く、アトピー性皮膚炎を悪化させます。
3.香辛料、刺激物は症状を悪化させることがあるので、嗜好品(酒、たばこ、コーヒーなど)とともに控えめにしましょう。また塩分を多くすると体の水分が多くなり、過敏体質になり皮膚病が悪化する恐れがあります。
4.過食はつつしみ腹八分目がベストです。また食事はよく噛んでゆっくり食べましょう。 よく噛むことによって消化が進み、体の中に入ったときに、アレルギー物質になりにくいと言われています。
5.偏った食事ではなくバランスの取れた食生活、つまり肉類ばかりでなく緑黄色の野菜も大切だということです。インスタント食品や加工食品ばかりだと栄養のバランスが崩します。1日10gの食品添加物を摂取しているといわれております。一年で少なくとも3.5kgの計算になります。
6わかめ、昆布、海苔、ひじきなどの海藻類を積極的に取りましょう。海草類に含まれるCa、Mg、Feなどの豊富なミネラルは栄養のアンバランスを解消し、アトピー性皮膚炎を治す力が出て来ます。
7.症状が軽くなってきたら少しずつ外で適度な運動をして体質改善をしましょう。運動して汗をかいた時はすぐシャワーを浴びましょう。 ただしプールでの水泳は塩素の刺激により症状を悪化させる恐れがあります。ご注意ください。
8できるだけストレスの溜まらない生活環境をつくったり、無理をせず息抜きすることも大切です。
●漢方薬の適応 漢方でのアトピー性皮膚炎の治療を標治と本治に分けて考えてみます。
標治と本治という考え方は中国の古典「黄帝内経、素問」に書いてあります。 本治とは病気の本質的(体質的)な治療であり、標治とは表面に現れた症状(患部の状態)にあわせた治療のことです。
患部の状態から(標治)アトピー性皮膚炎の症状で共通していることはかゆみですが、かゆみの程度から漢方の選薬はできません。
炎症の程度(患部は□紫がかった赤なのか□赤みの強い真っ赤なのか□ピンクなのかうっすらとピンクなのかなど)が大切です。また炎症の状態によっては盛り上がっていたりします□滲出液が出ているのか□黄色い膿が出ているか□カサカサとしているのかなどの局部の状態です。カビが繁殖していると思われるケースもあります。
□紫がかった患部は淤血(よごれた血液)と推察できます。
□熱がこもった状態で赤みが強い血熱をとるような漢方薬を使います。
□湿熱 痰湿が長引いて熱がこもった状態です。患部は赤くただれて、ジュクジュクとした浸出液の分泌があり湿熱をとる漢方薬を使います。
□血虚 患部はうっすらとしたピンク。秋、冬に悪化し、乾燥感が強い。血虚を補う漢方薬を使います。。
全身の体質を考慮することも大切です(本治)。必ずしもそうではありませんが漢方薬は効くのに長くかかると考える方は多いと思います。たとえば胃腸など体力的に弱い方や冷え性、貧血体質の方や生理の状態による変化、生活上のストレスなどと関係している方の場合は局部の状態だけでなく体質的な建て直しを同時に治さなければなりません。直接患部と無関係に思われるかもしれませんが、罹患している期間が長ければ長いほど焦らずにじっくり治す心がまえが大切です。
□脾虚(ひきょ) 脾とは胃腸の消化機能をさしています。脾の機能が弱いと食べたものがうまく分解されず、腸管でアレルギー反応を引き起こしかねません。脾虚を改善るする漢方で胃腸を丈夫にし、消化を助け食べたものを分解します。
□肝鬱(かんうつ) 肝は、肝臓だけではありません。気の流れを調節する自律神経のようなものです。アトピーの悪化はストレスとすごく関係があります。これは、おそらく交感神経の興奮によるものではないかと思います。肝の働きを調整して、気の流れを良くする事が大切です 肝鬱を改善する漢方を使います。
□血虚(けっきょ) 淤血(おけつ) 血液の不足です。血液が不足すると、血流が悪くなり、淤血の原因にもなります。また、皮膚にも栄養がゆきわたらなくなり、カサカサします。老廃物の回収もうまくいかなくなりかゆみをおこします。血を補うような漢方や血行を良くする漢方を使います。
□気虚(ききょ) 気にはさまざまな働きがあります。体外から体を守る防衛機能の働きを衛気といっています。この衛気が不足すると、病気やアレルギーになりやすくなります。気を補うような漢方薬を使います。
□腎虚(じんきょ) 漢方ではホルモンの働きを腎と考えます。ホルモンの分泌が弱い体質や状態を腎虚と言います。腎虚の改善には補腎作用のあるような漢方薬を使います。
ステロイドなどの外用薬と漢方薬の併用について
8割以上の方が既に他医療機関で、ステロイドの軟膏や抗アレルギー剤を服用した状態で当店に来店されます。これまでの治療をいきなり止めて漢方薬で治すという考え方ではなく、しばらく併用しながら改善状態を見て始めてステロイドの減量を考えるべきだと思います。また漢方薬だけでなく生活面での養生もとても大切です。
|